企画コーナー特集:企業訪問 その2
昔ながらの製法にこだわる醤油
今回訪問したのは、明治17年(1884年)創業の小山醸造様です。そのお醤油は昔ながらの製法にこだわり、一般に出回っているものとは風味とこくが違うということで、有名料理人や京都の料亭、そして有名ラーメン店でも使われているということです。
スーパーや量販店では販売していないため、あまり目にすることはないお醤油なので、どんなものなのかワクワクしながらお話を伺ってきました。

橋本聖子 Hashimoto Seiko
東京を中心に活動を続けているシンガーでモデル。
最近は舞台にも進出し、マルチな活躍を見せています。
小山醸造株式会社

醤油の種類
お醤油の種類は主に5種類。
こいくち(濃口)、うすくち(淡口)、たまり(溜り)、さいしこみ(再仕込み)、しろ(白醤油)があります。現在、最も一般的なものはこいくちで、醤油といえば色の濃いこの醤油を指します。
小山醸造の小山社長のご厚意で、今回は4種類のお醤油の味見をさせていただきました。
・さいしこみ
同じ工程を2度繰り返しているので「再仕込み」。薄味なのに味がしっかりしている感じです。お刺身に合うと思いました。時間も手間もかけている、自信の商品とのことです!
・京のはんなりしょうゆ
見た目は白醤油なのですが、製法が本来のしろとは違うということで、こちらではうすくちと呼んでいるそうです。これまで口にしたことのないような味でした!やさしいのに風味がある、関東には無いお醤油です。シラスをのせたごはんにかけ食べると絶品だそうです!京都の料理は素材の味を大切にするので、醤油の味が邪魔にならないようにこのような商品ができたのだとか。関東にお土産で持って帰る方も多いそうです。
・ラーメン醤油
コクと深みのあるしっかりとした味の醤油2種類。これはどちらも有名ラーメン店用に作ったものだそうです。こちらでは様々な注文に応じて醤油を作ってもらえるということです。ラーメン店の特徴に合わせて味の調整を行い、納得するものを作ってくれるみたいですよ。





様々な醤油を製造・販売しています。
小山社長
さいしこみ、はんなりしょうゆなどを味見!
思わず「おいしい!」




小山社長からいろいろな話を伺いました。
いろいろなお醤油の味見をさせていただき、同じ醤油と思っても様々な種類、微妙な味の違いがあるものだと感じました。
ところで、お醤油は何から作られているか知ってましたか?
正解は、
大豆、塩そして小麦なんだそうです。小麦はなかなか思いつかないです……。
お醤油の色は大豆と小麦の割合の加減で決まるそうで、大豆の量が多いと発酵の時に色の濃い醤油になるということです。
また、実はうすくちは塩分濃度がこいくちより高いのだということを教えてもらいました。
関西では食材に色が付くのを好まないため、醤油の色は薄いものを、けれども味はしっかり付けたいので塩分は濃いめになったということなのでしょう。
色に惑わされてはいけません!ちゃんとした知識を持つことが大事なんですね。
ちなみに、小山醸造で作っているお醤油は、一般的なものより塩分を4~5%程度抑えめにしているので、健康に気遣った商品になっているそうですよ。
見学




樽を買って帰った中東の富豪もいたとか。
意外に小さいスクリューで中身をかき混ぜます。
更にご厚意に甘えてしまい、工場の中を一通り見学させていただきました!
中に入って一番に、お醤油のよい香りが漂ってきました。見上げるほどの大きな樽がいくつも並んでいます。中で醤油がじっくりと発酵しています。時折、樽の中をスクリューでかき混ぜます。昔は人手でかき混ぜていたそうですが、今はスイッチひとつで作業完了です!
奥の部屋には作業台が。
ここで手作業でラベルを貼り付けているそうです。壁には様々なラベルが貼り付けられているようですが…。
これは、かつて瓶を回収したときにはがしたラベルということで、今ではお醤油とは全く関係のない事業で日本を代表する企業となっている名前もちらほらと見受けられました。創業当初はいろいろな事業を手掛けていたのですね。
壁一面に昔の醤油のラベルが…。
新商品
最後に、現在試作段階のお醤油を味見させていただきました。
今、様々な食べ物で人気の「抹茶」が入っています!
蓋を開けるとほのかに抹茶の香り。試食をすると、後から抹茶の味がしてきます。抹茶なのに醤油、醤油なのに抹茶、不思議な感じですがこれも美味しかったです。
しばらく置いておくと抹茶が沈殿してしまい、ドレッシングのようによく振ってからでないとダメなことがネックだとか。
でも、これは「ふしみ美人」商品として検討の余地があるのではないでしょうか?橋本からの提言です。
これからの小山社長のがんばりを応援しています!

